2007年10月09日

産婦人科残酷物語の Blog 主さんも。

共感する点が多々あった、
産婦人科残酷物語 U のブログ主さんも医局とやり合っているらしい。
http://ameblo.jp/sanfujinka/

ここんところ 2ヶ月ぐらい、患者さんの名前すら覚えられない状況で、
患者さんとの関わり方が希薄になってしまっていて・・・・。

自分の医師としての理想にあわないようなことをしているなら、私が今の職場にいる必要はない訳で。
そんな仕事の仕方をしつつ家族に負担をかけるのも納得できないし。

ということで、こんなとこやめたるーーーと私もつい最近、暴れ回ったので非常に興味深い。

結局、産科医の減少、または逃散は、
医師としての上司である人たちの無理解に起因しているのではないかと思い始めた。

研修医制度がどうのこうのという指摘もあるが、
結局は、現場ではたらいている人間に対する
" まあ、そんなこといったってなんとかなるんだろう " 的な感覚が若手の労働意欲を失わせていることに気がつかないんじゃないか。

所詮、偉い人たちは、現場にでているわけでもなく、
医師の数が少なく、末端に負荷がかかっている状況というのを肌で感じているわけではないのだ。

外面を取り繕うために、下に負担をかけているんじゃね。

とりあえず、お金はそんなに望まない。
やりたい医療ができないことに対する不満の結果だというのを真にうけとめて欲しい。
posted by Bluemoon at 23:19 | 千葉 ☁ | Comment(19) | TrackBack(0) | 医療ネタ

2007年08月31日

奈良の妊婦搬送にかかわる報道について。

奈良・妊婦搬送中流産:最初要請の病院、受け入れに余力
 奈良県橿原市の妊婦(38)の胎児が救急搬送中に死亡した問題で、橿原消防署(中和広域消防組合)から最初に妊婦の受け入れを要請された県立医科大学付属病院(同市四条町)が、要請から約2時間のうちに、他の2人の妊婦を救急搬送で受け入れていたことが県の調べで分かった。病院に受け入れの余力がありながら、消防とのコミュニケーションの不備などで結果的にこの妊婦の受け入れができなかった。
 一方、大阪府警高槻署の調べで、この妊婦は妊娠24週(7カ月)で、胎児は胎内で死亡していたことが分かった。流産は22週未満で胎児が死亡する場合を指し、このケースは死産に相当する。病名は不詳。【中村敦茂】
毎日新聞 2007年8月31日 東京朝刊


てな記事を読んで、正直、わたしも受け入れてあげればよかったのにと思ってしまったが、 奈良医大の当直日誌が公開されていた。
これを読むと、当直医の先生、および病棟が限界に近い状態で稼働していることがよくわかる。

とりあえず、奈良医大を批判することはできない。
私でも同じような対応をした可能性が大きい。昼間ならともかく、夜間のかぎられた医療資源でできることはやっている。とりあえず、いま目の前にいる患者さんを救命することが先。そうでなければ、皆、共倒れになってしまう。
夜間、ということになればどこの病院でも受け入れ能力はそれほどない。
また、そもそも当該の患者さんは、大学病院でみるべき患者さんであるかどうかの検討も必要だと考える。

これだけやって批判される先生のモティベーションが低下しないことを祈るばかりです。


http://www.naramed-u.ac.jp/〜gyne/2007.08.28.html

以下、転記、

今般の妊婦救急搬送事案について

 去る8月29日、救急搬送中の妊婦さんが不幸にも死産にいたりましたことについて、誠に遺憾に感じております。
 今回の事案につきましては、マスコミを通じて、さまざまな報道がなされておりますが、当病院の産婦人科における8月28日から29日にかけての当直医師の勤務状況や当病院と救急隊とのやり取りについて調査しましたので、その結果を公表いたします。


平成19年8月28日の当直日誌記録より

(産婦人科当直者 2名)

時間 対応内容

8月28日(火)     夕方から抜粋

19:06         妊娠36週 前回帝王切開の患者が出血のため来院、診察後に帰宅
19:45         妊娠32週 妊娠高血圧のため救急患者が搬送され入院、重症管理中
09:00〜23:00     婦人科の癌の手術が終了したのが23:00、医師一人が術後の経過観察
23:30         妊娠高血圧患者が胎盤早期剥離となり緊急帝王切開にて手術室に入室
23:36〜00:08     緊急帝王切開手術
00:32          手術から帰室、医師一人が術後の処置・経過観察をする。重症のためその対応に朝まで追われる。妊婦の対応にもその都度応援する。当直外の1名の医師も重症患者の処置にあたり2:30ごろ帰宅

8月29日(水)

02:54         妊娠39週 陣痛のため妊婦A入院、処置
02:55         救急隊から1回目の電話が入る(医大事務当直より連絡があり当直医一人が事務に返事) 「お産の診察中で後にしてほしい」、そのあと4時頃まで連絡なし
03:32         妊娠40週 破水のため妊婦B入院、処置 (これで産科病棟満床となる)
04:00         開業医から分娩後の大量出血の連絡があり、搬送依頼あるが部屋がないため他の病棟に交渉
04:00頃        この直後に救急隊から2回目の電話が入る 「今、当直医が急患を送る先生と話しをしているので後で電話してほしい」旨、医大事務が説明したところ電話が切れた
05:30(病棟へ)    分娩後の大量出血患者を病棟に収容 (産科満床のため他の病棟で入院・処置)
05:55         妊婦Aの出産に立ち会う。その後も分娩後出血した患者の対応に追われる
08:30         当直者1名は外来など通常業務につく、もう1名は代務先の病院で24時間勤務につく


ちなみに胎盤早期剥離というのは、母子ともに生命の危険にさらされる産婦人科の緊急疾患としてはもっとも重要なものです。
きわめて迅速な対応が要求され、場合によっては母子ともに死亡します。
そういった患者さんを対応した後、お産が入り、さらに、他院からの緊急性が高いと判断される患者さんの受け入れ要請があるような状況では、医者だけでなく、看護スタッフの受け入れ能力も限界に達していることが予想されます。
電話での対応に時間をかけていられる状況ではありません。

これだけ頑張って批判をされては、やってられん、というところです。

人員の配置のあり方(その人員自体が枯渇していますが)や夜間の救急医療体制自体の見直しこそ、争点とすべきと考えます。問題を一病院や医師個人にすり替えても解決する問題ではありません。

基本的には、医療費(それも、建物を重視するんではなく、医師を含めた医療スタッフ全般の人的資源)にお金をかけない限り(=すなわち、医療費の値上げ)、新聞記者の皆さんが考えるような医療体制は確立できません。

そこまで踏み込んだ議論をすることが必要ではないでしょうか。
posted by Bluemoon at 22:43 | 千葉 ☁ | Comment(7) | TrackBack(0) | 医療ネタ

2007年07月22日

違和感。

【参院選2007 滋賀ニュース】
<だから1票> (4)医師不足 医療格差、募る不安

中日新聞 2007年7月18日


医師不足の原因を研修医制度にもとめるのでは、なにも解決しない。
基本的には絶対数の不足。訴訟のリスクよりも、むしろ、拘束時間が長過ぎることが、いまどきの若者のライフスタイルにあわないんだと思う。

また、きちんとした医療環境を整えるためには、それなりの投資が必要だという観点も欠如している。

年金制度、医療問題は結局、国民がどこまで負担できるかというところにかかっているのでは。




続きを読む
posted by Bluemoon at 22:22 | 千葉 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 医療ネタ

2007年07月21日

大野病院事件の第 6回の公判の感想。

証言内容の詳しいものが、出始めましたね。

http://lohasmedical.jp/blog/2007/07/post_757.php#more
http://lohasmedical.jp/blog/2007/07/post_759.php#more


改善の余地があったのか、という点に関しては、そもそも産科医として改善できるであろう点、が裁判の論点として、とくに報道機関によりとりあげられてこないのが不思議です。

鑑定医ご自身は、『若手医局員だった時代に、手術助手として癒着胎盤を経験したことがある』と証言されたようです。私自身、この一年で二例の前置>>癒着胎盤の執刀をして、子宮摘出をしていますが(ということは、高度に細分化されている現代医学では、産婦人科医の教授であっても専門外のことにかんしては下っ端職員並みの経験となります。)、幸い、二例とも術前に診断可能な症例だったのでなんとかなりました。十分な説明の時間もとれましたし、IABO を準備するなどの小細工もききました。しかし、これは、幸い超音波の届く範囲に癒着があったこと、子宮の筋肉の中にかなり食い込んだ胎盤だったことによります。

以下、今後の再発防止という観点から問題点を挙げるとすると、

#1 癒着胎盤を疑わせるエコーの所見であったか。
>> 性能のいい、超音波装置が必要だが。
この症例の超音波写真を見ていないのでなんともいえないのですが、実際どうなんでしょう。結果を知った後で疑うのは簡単なことですが、なにも事前の情報がない状態で一般の産婦人科医がみて確実に癒着胎盤と診断できる、もしくは癒着胎盤をうたがえる(どの程度、というのもありますが)写真なのか知りたいです。この場合、その道の専門家に要求されるレベルと町の病院の先生に要求されるレベルはことなると考えてもらわないと(専門家に近づくように努力はしますが)、厳しいです。

MRI に関しては、子宮頚管に食い込んでいるものはわかるような個人的な感触はあります。しかし、先日、わたしの経験した症例と一般の前置胎盤の症例を混ぜて、クイズをしたところ正解者はあて感の確率と同じぐらいしかいませんでした。たしかに、論文で疑うことのできる所見というのは散見できますが、それが確かだとしても、一般産婦人科医のレベルで正確に白黒つけられるような代物ではありません。

#2 MAP 5単位という血液ストックが適切な量であったか。
>> 定時の帝王切開の保険上のコストの問題から、使わなかったらこの時点で赤字、という状況では難しいのだが。

#3 胎盤をはがすという行為が適切であったのか。
>> 自然剥離を待つ、というのが普通の帝王切開でも出血量を少なくするコツとして存在する。ただし、場合によりけりで、たとえば、切開したあと出血がその時点で多ければ、胎盤をとりにいく、という選択もありだと思う。臨床的に癒着胎盤だとおもっても、病理と食い違うことはよくあること。子宮を残す努力をしなかった、といわれてしまえば、そのときはそのときで問題が発生するとおもわれる。今回のような症例での一番のジレンマはココだと思う。ちなみに、うちの大学の症例を検討するに、前置胎盤と診断されて紹介された症例のうち、癒着胎盤の頻度は 1/10。

#4 そもそも大野病院でやるべき症例だったのか。
>> 前回帝王切開、前置胎盤であれば、1/10 は癒着胎盤です。癒着胎盤であると、うちの Date (病理とマッチしたもの、子宮摘出が必要だった症例)だと 3000ml ぐらいは覚悟しなくてはならない(MAP 5単位でたりるけど)。ただ、医師の技量に関係なく、10L とか、20L とかはでるときゃでる。
本当は、ここを議論するべきではないだろうかとも考えるのだが。


鑑定人の先生の見解は、事後の症例検討会としての講義としてはきわめて正しいご判断だとおもいます(ただ、産科の臨床の最前線にはいないんじゃないかと考えてしまうご発言もありますが)。きわめて高い水準での治療、判断としては適切かもしれません。

しかし、今回の症例の場合、問題は大学病院でおこったのではありません。一人医長でやっているような病院です。そこを失念なさって、議論をされたのでは一般の産科医は立ち行かなくなります。

このような裁判においては、一般的な水準の産婦人科の先生として考えたときに問題があるか、ないかを問題とすべきであり、特殊な環境なもとでさまざまな検査のできる大学病院での話を持ち出されても仕方がないのではないでしょうか。
posted by Bluemoon at 14:58 | 千葉 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 医療ネタ

2007年07月08日

想像していたのとだいぶ違いました。

と、帝王切開の術後の患者さんにいわれました。

なんでも、手術のときは、
" メス "、から始まりドラマのように、医者が道具の名前をいい、器械だしの看護婦さんがパシッとわたす、ものだと思っていたらしい。

”先生、なんにも言わないんだもん" と少しがっかりされたようで。

確か、記憶では、"じゃあ、はじめまーす" から始まり、慣れた看護婦さんだったので、手をだしゃ、道具がでてくる状態。結果、あんまりしゃべらなかったかも。淡々とやりすぎとだめだしをされた。

順調にいっているときの帝王切開の特権か、手術室の雰囲気もそれなりに和やかだったしね。

生まれたあとすぐに助産師さんが赤ちゃんを隣につれてきてくれて、受け持ちの学生さんたちがおめでとうといったのも想像と違ったらしい。まあ、これはよい意味でなのだろうが。

大体、医療ドラマにでてくるようなタイプの医者ではそもそもない私に、白い巨塔を期待されてもね。

大学病院 = 白い巨塔をイメージしている患者さんは意外と多い。
posted by Bluemoon at 13:39 | 千葉 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 医療ネタ

2007年07月05日

お産後の出血で。

お産のあとの場合、 1,600ml 程度の出血で死亡するとは考えにくい。これを直接の死亡原因にはできないと思うのだが。

帝王切開で、1,600ml ぐらいの出血はよく経験するし、その際には出血が少し多くなったという印象をもたない医師はいないだろう。ただ、この段階で、輸血を決断する医者は、全身状態が良好である、という前提のもとではあまりいないのではないか。

おもてにでてこない、たとえば膣壁血腫などが存在すれば話はわかるが。

医師の立場からすれば、これで 1,600 ml をこえた出血の際には輸血をしなくては犯罪として罪をとわれる、という決まり事ができたわけだ。

この先、注目の事件ではある。続きを読む
posted by Bluemoon at 23:56 | 千葉 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 医療ネタ

うちの叔父さんが新聞にでてた。

基本的にうちの一族は医師が多い。気持ち悪いと思うが、まあ、そのように教育されているし、ほかに生き方をしらない。

私はとりあえず 5代目。また、ひいじいさんの孫 6人(ようはうちの親の兄弟、従兄弟)はみんな医者。

うちの祖父、うちの父、で、この記事の部長はうちの叔父さん、そして私は産婦人科医。

叔父さんが倒れたのは、不整脈 > 心房内に血栓 > でも休めない > 体中に血栓とびまくり ていうのが真相。体外循環を廻しての、心房血栓除去手術をへて、ぎりぎりのところで一命をとりとめたが、親族は死を覚悟しましたよ、実際のところ。

なんとか、社会復帰はできましたが、後遺症はのこってます。

ぎりぎりのところで頑張ってしまうのは、とことん医者として教育されてきた刷り込みが強烈なせいなのだろう。おそらく、私がおなじ状況であっても休むということは選択できなかったに違いない。

記事中の叔父の言葉、
「生と死の両方が見られるのは産婦人科医しかない。新しい生命に立ち会える感動、最大の魅力だ」、
まさにこれこそが、私が産科医でいようと思っている原動力だし、そういう環境で育っているからこそ、周産期医療を志したわけで、うちの家訓みたなもんです。しかし、こういった個人の努力で支えるということも限界にきているということは広く知っていただいてよいことだと思う。

好きで立ち去っている訳ではない。断腸の思いをしているが、それでもできない。そこんところ、わかってください。

ちなみに、この事件のあと、わたしが " 正直、しんどい " とこぼすたびに、" この、不覚後者、それでも医者か " と喝をいれていた親父が、そうはいわなくなった。

続きを読む
posted by Bluemoon at 23:40 | 千葉 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 医療ネタ

2007年04月18日

こどもの自転車探し。

この前の日曜日、久しぶりの家族サービス。
上の娘(5歳)の補助なし自転車特訓をすることに。すると、さすがわが娘(親ばか)、特訓などせずとも自然とスムーズに無理することなく無事補助あり自転車(本人いわく、4輪車)から卒業できました。

そこで、年長さんなったお祝いもかねて自転車を買ってあげることにした。

しかーし、なかなかセンスの良いと思えるものがない。とくに、こだわり屋の嫁さんのめがねにかなうものがない。
ホームセンターでうっているのはゴテゴテしていていただけない。とくに女の子用となるとだめだめ。

ネットで検索してみての候補を挙げると、

【Unite】 attling(アトリング)
【ビアンキ】バンビーノ16
【ルイガノ】 ルイガノ16
【ルノー】 Team Spirit16

ってな感じ。どれも子供を子供扱いしていないところが素敵。

問題点は …… 値段も子供扱いされていないことか。 
posted by Bluemoon at 20:41 | 千葉 ☔ | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記

2007年04月16日

開業医は日曜や夜も診療を

むちゃなことばかり要求するのね。

開業医は日曜や夜も診療を
今後の医療政策で厚労省

2007年04月14日 2:04 【共同通信】


古き良き医師を想定するのなら、古き良き社会の復活が大前提。
だいたい介護する人がいないのに、老人が家にいれるかい。
posted by Bluemoon at 22:28 | 千葉 ☔ | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記

2007年04月15日

NICU マニュアル の新しいのがでていました。

NICUマニュアル の第 4版がでていました。
小児科、産科をまわる初期研修の先生方におすすめ。
小さくて、携帯できるのが便利です。


posted by Bluemoon at 08:45 | 千葉 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 医療ネタ

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