集約化すれば、当然、そうなる訳でしかたがありません。
産科医の減少については、いろいろな考えがあるでしょうが、批判を覚悟での私見。
#1 お産はうまくいって当たり前、という前提がもはやできあがってしまっていて、魅力ある仕事にみえない。そのわりには、訴訟がつきまとい、拘束時間がながい、となれば、なり手がすくなくなって当然。
#2 以前と比較して女医さんが多い。結婚して、子供ができるとどうしてもフルタイム(当直や待機業務をこなす)で働くということが難しくなる。これに対して、病院の産婦人科医の定員は、男性医師が多かった時代に設定されたものであるので、そうした人たちにも当直や待機業務をこなすことを要求する。となれば、辞めるしかない。で、残された男性医師だって、いまの世の中、奥様も仕事をもっていることも多い。となると、家庭のことが大事となれば、女性医師の子育てのために自分が犠牲となる訳にはならなくなる。という姿をみてしまうと仕事には魅力を感じても、将来のことを考えると入局に不安がのこる。
というところでしょう。
医師の集約化に関しても、公立病院よりもむしろ大規模な私立病院、場合によっては、開業医さんに医者が流れているような気がします。なにしろ、お役所仕事では現状の変革(研修医制度の変更、福島の事件の衝撃)にはついていけてません。
なんども書きますが、産婦人科医の収入を高くしたところで、今時の若者は見向きもしないでしょう。それよりも、給料はそこそこでよいので、自由な時間をとれるような体制をつくることが大事です。なにしろ、男は仕事に生きるっていうことが前提の定員の配置ではもともと人数が足りないのですから、負のスパイラルにはまっています。
しかし、この流れを決定づけたのは、福島の事件であることは間違いなく、
つまりは、同じ状況であれば、自分も同じ結果になったのではないか、という医師が多いということの裏付けです。
一般的な医療水準で対応した際の結果まで刑事責任を取らされるのでは、なんのために一生懸命やっているのかわからなくなりますし、自分の家族のことを考えると、わざわざ重労働でかつ犯罪人になるリスク高い現場から身をひくというのは当然の選択です(逃散というらしい)。
こんなことを書くと、" お医者様なのだから " という人が必ずいますが、医師にも家族がいますし、家族に迷惑はかけられません。家族を顧みないような人間に医療を受けたいとお思いになるでしょうか。
現状を打開するには、
1) 産科医師や助産師に対してのきちんとした資格制度の導入の上で一定水準の医療行為、助産行為がなされたと判断された場合には、すくなくとも犯罪者としてあつかわれることのないようにする制度作り。
2) 国民ひとりひとりが、子供をつくる、または、産むということをもう少し真剣に、というか、重要であるというように考えられるような教育を国として行なう。
ってことしかないと思われる。
強要されてできるほど、甘い仕事ではないと思う。
では、なぜ、私が産科医なのか。
やっぱり、赤ちゃんを産声の力なのです。患者さんが感動してくれるのは勿論、ずっと怖い顔をしていた患者さんの夫があかちゃんの産声を聞いて大泣きするなんて場面に出くわすとやめられません。
2007年03月25日
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